体液・異臭の除去に特殊清掃業者が必要な理由

一般的な汚れではない

一口に「体液」と言っても、実際は血液、皮脂、排泄物など体内部のさまざまなものが混ざり合っています。日常生活の中では発生しえない液体ですので、一般的な洗剤では落としきることができません。また遺体の腐敗によって出てきた液体なので、発見時にはウジなどの虫がわいていることもあります。このように遺体による汚れは非常に特殊です。だからこそ一般的な清掃業者でなく、遺体処理のノウハウを持つ特殊清掃業者に頼まなくてはいけないのです。

これは異臭についても同様です。死体が腐乱して発生した異臭はとても強く、実際に部屋から漏れ出てきた臭いに近隣住民が違和感を覚えて通報したら遺体が発見されたという事例が多くあります。それほどまでの臭いですから、一般的なハウスクリーニングでは対処することができません。特殊清掃業者が持つ消臭剤などを使ってはじめて消せるものなのです。

虫がわくのを防ぐ

遺体からにじみ出た体液は大抵、遺体が横たわっているフローリングや畳などの内側にも染み込んでしまっています。表面だけを清掃したとして中に体液が残っていては、臭いをかぎつけた虫があとからわいてきてしまいます。それを防ぐためには、体液が染み込んだ箇所をすべて確認して漏れなく処理する必要があります。

特殊清掃業者ですと床にどこまで染み込んでいるのかを確認し、的確に体液を処理してくれます。

近隣住民への迷惑防止

体液が染みこんだ布団や畳などを取り除くことで、異臭処理の50%は達成されます。しかしこれは布団など自体が激しい異臭を放っているということです。処理には細心の注意を払わなくてはいけません。たとえば亡くなってしまった方がアパートやマンション住まいであった場合、布団などを共用スペースに持ち出さない配慮が必要になります。やむを得ない場合でも、エレベーターや通路に養生を施して臭いが残留しないようにしなくてはなりません。

臭い以外でも配慮しなくてはいけないものがあります。遺体に虫がわいていた場合は特殊清掃業者が殺虫処理を行います。これの手際が悪いと虫が近隣に逃げ出してしまう恐れがあります。近隣住民に不快な思いをさせて、故人の印象まで落としてしまうことを防ぐためにも、一般的な業者でなく特殊清掃業者に依頼する必要があるのです。

建造物への知識も必要

既に述べていますが特殊清掃を行う際、場合によってはリフォームをする必要があります。必要なこととはいえ、なるべく最低限の処理におさえて費用を安くしたいものです。そのためにはどこまで解体をするか、どのように張替えをするかなどを考えながら作業を行う必要があります。一般的な清掃業者ですと建造物への知識を持ち合わせているとは限りません。リフォームへの基礎的知識を持ち合わせている特殊清掃業者に依頼をしましょう。

遺体による異臭を消臭するための薬品は非常に強力です。もし処理現場が今後も住居として使用されるならば、濃度が強い薬品を家具や壁などに撒いてしまうと脱色や変色を起こしてしまう危険性があります。また隣家や隣部屋とつながっている壁が薄い場合、薬品をかけすぎると反対側にも侵食してしまうこともあります。清掃を行う業者は、使用する薬品の特性を熟知していなくてはならないのです。

衛生面でも危険

遺体の中に潜んでいた細菌のなかには、死後体外へ進出するものもあります。また遺体が腐乱してしまった場合、その肉体から新たに病原菌などが発生してしまうこともあります。それだけでなく、もし虫がわいてしまっていた場合、現場にいた虫が細菌やウイルスを人に媒介してしまう危険性まであります。例えばハエですと、黄色ブドウ球菌や大腸菌など遺体や汚物に含まれるウイルスを媒介してしまいます。

適切に処理をしないと、現場を後に使う人や現場の近隣住民は元より、清掃業者にまで健康に被害が及ぶことがあります。しっかりと自身を防護しながら、短時間で隅々まで殺菌処理をしてくれる特殊清掃業者が必要不可欠なのです。

まとめ

なぜ遺体による体液や異臭の処理に対し、一般的な業者でなく特殊清掃業者に依頼しなくてはならないかをまとめさせていただきました。特殊清掃業者の必要性についてご理解いただけたのなら幸いです。

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